【Vol.11】CHICKEN AND CHIPS・中川友美|海と食で素敵な時間を過ごしてほしい

お話を伺ったのは 中川友美さん
東京都多摩市出身。学生時代は調理の専門学校に通い、弁当屋でアルバイトを経験。21歳のときに、一宮町へ移住し、現在はいすみ市に住んでいる。居酒屋や、ラーメン屋、食堂、ダイニングバーなどの飲食店で経験を積み、「海を見ながらランチを食べられるお店を出したい」という思いから、2017年に一宮町に「CHICKEN AND CHIPS」をオープンした。
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海辺で食べられるランチボックスを提供

一宮海岸の入り口、九十九里ビーチラインと県道228号線の交差点に、中川友美さんが運営する「CHICKEN AND CHIPS」は店を構える。「To Go For The Beach!~Lunch Boxを買って海を見ながらランチ!~」というコンセプトを掲げるように、海まで持っていって食べられる、さまざまなテイクアウトメニューを提供している。

「一宮町には、海を見ながらランチを食べられるお店が、実はほとんどないんですよ。なので、海に持っていけるようなランチボックスを作って、みんなが好きな場所で、好きな時間に食事ができるようになればいいなという思いで、このお店をはじめました」

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人気メニューであるチキンのランチボックスを中心に、サラダローストビーフ、サーモンのポキ(ハワイの伝統料理)など、お手頃な価格かつボリューム十分なメニューを用意。付け合わせのサラダには新鮮な地元の野菜や旬の食材を使っており、見た目にも華やかで、このランチボックスを海岸で広げれば、格別な気持ちになること間違いなしだ。

「サーフィンをする方々は、知り合い同士で一緒に海に入っても、出る時間がバラバラだったりしますよね。一緒にランチに行こうとしても、なかなか時間を合わせるのが大変だったりします。でも、お弁当なら、例えば誰かがまとめて買ってきて、ちょっとした時間差があっても同じ空間の中で食べられると思います。海辺のゆっくりした時間の流れの中で、ゆっくり食べていただけるのがいいなと思っています」

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町に根付いた海中心の生活を実感

もともと中川さんは西東京の出身で、料理の仕事に就くことを目標に調理の専門学校に通っていたが、そのなかで友人に誘われてサーフィンに触れ、できるだけ多くの時間を海で過ごしたいという思いが増していったと話す。

「あの頃は若かったから、もっと遊ぶ時間もほしかったので、飲食店で働くとしたら拘束時間の長さはちょっとネックになるなと思っていたんです。また高校を卒業した頃からサーフィンをやるようになっていたので、もっと海に行ける時間を作りたいとも思っていました。なので、最初は朝6時に開店して昼過ぎに閉店するお弁当屋さんで働いていたのですが、どうしても、毎日海に入りたいという思いもあり、勢いで移住を決意したんです」

生まれ育った東京から、21歳の時に一宮町へ。当時から海外へのサーフトリップを行い、そこで見て感じた海辺の生活への憧れを実現することになったわけだが、移住と同時に知ったのは、海の良さだけでなく、町の人々の温かさだった。

「こっちには友人と一緒に来たのですが、最初は、『こういうところで、友達ってどうやったらできるんだろうね』って思っていたんですよ。でも、引っ越してすぐに、お世話になった方に『今日、パーティーをやるからおいでよ』と誘っていただき行ってみると、そこにはプロサーファーの方や、私たちと同じように移住してきた人たちを含めて50人くらいがいらっしゃって。一気に友達も増えて、皆さんにはとても親切にしていただきました」

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良質な波がコンスタントに発生する海が多くのサーファーを魅了するのみならず、移住者を温かく迎え入れる土壌が町全体に行き渡っているのが、この町の魅力。「海中心の生活」が多くの人の根底にあることも、中川さんは実感したという。

「ある日、当時働いていたラーメン屋さんの店長から、朝に電話がかかってきたんです。そうしたら『今日はすごく波が良いから、仕事に遅刻してもいいから、海に入ってきなよ』って言ってくださって。このあたりって、そういう『海優先、サーフィン優先』を認めてくれるようなところがあるんですよ(笑)。海に入ることで『今日も頑張ろう』という気持ちにもなれるので、そういうことを経験すると、こっちに来て良かったなと改めて感じました」

そんな町の温かさに囲まれながら、居酒屋やラーメン屋で働き、そして隣町のいすみ市へ居を移して夫とともに大衆食堂を営んだり、ダイニングバーで働いたりするなど、中川さんはさまざまな飲食店を経験。その中で磨いた料理の腕と経験を生かし、海の近くに住む中で感じた「海を見ながら食べられるランチを」という思いを形にするべく、「CHICKEN AND CHIPS」を2017年にオープンすることに。一宮海岸の入り口という、海に入る人も、出てくる人も足を運びやすい最高のスポットで、夢を叶えることになったのだった。

たくさんのお客様が来てくれるのも海のおかげ

そんな中川さんのお気に入りのスポットは、いすみ市の太東埼灯台であるとのこと。太平洋や九十九里を一望できるこの場所には、定期的に足を運んでいるそうだ。

「同じ目線で海を見るよりも、高い目線から見ることで、本当にキラキラしていてきれいなんですよ。引っ越してきたときは、『落ち込んだら、まずはここに来よう』と思っていました(笑)。でも、今となってはもう、とにかくきれいな海が見たいと思ったら自然に足を運んでしまいますね」

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東京の喧騒を離れ、千葉の海辺の町へやってきて20年の時が経過した。今では4人の子どもを持ち、彼らをサーフィンへと海に通わせるなど、海の近くの町で家族と一緒に暮らすことを存分に楽しんでいる。

「周りの人はみんな親戚のような感じで、話していると自分がハタチくらいの感覚に戻れるような、お兄さんやお姉さんもたくさんいます。みんなの心は少年少女のままだったりするんですよ」と話すように、環境や建物は時の流れの中で変化しつつも、ずっと変わらない人の温かさがそこには存在し続けており、「地元の方と移住してきた方のバランスが、今はすごく良い形になっている」と中川さんは感じている。

そんな町の中で「CHICKEN AND CHIPS」は、多くのサーファーを中心とした町の人々の大切な場所として、これからも生き続けていくだろう。

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「初めてこの町に来たときに周囲の方々にすごく親切にしていただいたことで、住み心地の良さを感じながら、今このお店をやることができて感謝の気持ちでいっぱいです。海や自然が人と人とのつながりを作ってくれているのだと感じますし、たくさんのお客様がお店に来てくれるのも、海のおかげだと思います。皆さんが『今日はご飯を作る時間がないな』とか、『お友達と一緒にランチに行きたいな』と思ったときに、気軽に来ていただけるような店であり続けたいです」

多くの人が、一宮の海と、食で素敵な時間を過ごしてもらえるように。そんな思いと、自分を受け入れてくれたこの町への感謝の気持ちを胸に、中川さんはこれからもお店に立ち続ける。

↓インタビュームービーはこちら

施設情報
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CHICKEN AND CHIPS

「海へ持って行って食べられるランチ」をコンセプトに、さまざまなテイクアウトメニューを提供。人気メニューは、肉の種類と味を選べるチキンのランチボックス(おすすめは鶏もも肉、ガーリック味)。

住所 :千葉県長生郡一宮町一宮10129-2
電話番号 :0475-44-5273
営業時間 :10:00~16:00(※16時以降のケータリング、ロケ弁、貸し切りパーティーなど相談可)
定休日 :火曜日

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