【Vol.12】pension THIRD PLACE・橋本敏宗|居心地の良い第三の場所であなたを待つ

お話を伺ったのは 橋本敏宗さん
1979年生まれ、東京都足立区出身。学生時代にサーフィンに触れ、22歳の時に千葉県に移住。サーフボードメーカーでサーフボード製造とショールーム、営業業務を約10年務め、クォーターサーフボード総代理店、アンテナショップ経営として独立。2015年にサーフショプ「SEAMILES」をオープン、2016年に「Pension THIRD PLACE」をオープンした。
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皆さんと一緒に暖かいコミュニティを作りたい

「"ファースト・プレイス"はその人の自宅や生活を営む場所。"セカンド・プレイス"は職場。"サード・プレイス"は、自宅や職場とは隔離された、居心地の良い場所でありたい。そんな思いから名付けました」

そう話すのは、「pension THIRD PLACE」のオーナーである橋本敏宗さん。ただ泊まるだけのペンションではなく、車やウェットスーツが汚れづらいアスファルトの大型駐車場、車で通う方も安心して着替えられるロッカールームや自転車レンタル、女性も安心して使えるきれいなトイレなどを備え、訪れる人々のサーフィンライフが充実するような癒しの空間を提供している。

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「もともとは僕もビジターのサーファーだったので、彼らの気持ちがすごくわかるんです。設備的なものもですが、来た時に自分に声を掛けてくれる人もあまりおらず、少し孤独を感じることもあって、仲間がいる人たちを見ながら『楽しそうだな』と思いながら一人でサーフィンをしていることがありました。だから、ここに来てくれる方々とコミュニティを一緒に作っていけるような、暖かい場所にしたいと思っています」

実際にこの場所に来ると、宿泊客のみならず、地元の子どもたちも含めて幅広い世代の人々が集まり、まるで一つの村のようなコミュニティができあがっている。海から戻ってきた人には「今日の波、どうでした?」と笑顔で問いかけ、サーフィン初心者の人へは技術的なアドバイスも送る橋本さんは、ペンションのオーナーであり、村長のようでもあり、"みんなの兄貴"のようでもある。

「親子で波待ち」が夢だった

橋本さんの出身は東京都。若かりし頃にサーフィンをはじめ、湘南や一宮に通うようになり、先に移住していた友人に続く形で22歳の時にこの町へやってきた。

「とにかくサーフィンに没頭したかったんです。最初のほうは毎日3~4ラウンド、一日中、海にいましたね」

移住後、知人の紹介によりサーフボード工場で働きはじめ、サーフボードの製造や営業などの職を約10年間経験。日本各地のサーフショップへの営業活動で得たノウハウを生かしてクォーターサーフボードの総代理店、アンテナショップ経営者として独立し、2015年にサーフショプ「SEAMILES(シーマイルズ)」を開店。さらにその翌年には、ペンションを引き継いで「THIRD PLACE」としてリニューアルオープンした。

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サーフィンと常に関わり続けながら人生の大半を過ごしてきた橋本さんにとって、自身の経験を多くのサーファーたちやこの町の海に還元したいという思いが、一つの形になったのだ。

「一宮の町って上手なサーファーが多くて、それは良いところでもあるのですが、ビジターの方にとっては敷居が高いというイメージも実はあるんですよ。釣ヶ崎海岸の志田下ポイントなどは、自分も通いのビジターだった頃は実際にそう感じていました。でもこっちに移住してからは、クォーターサーフボードに勤めていることもあって、徐々にですが周りの皆さんに声をかけていただけるようになり、サーフィンをしていて最も居心地の良いポイントになっていったんです。最初はそういう敷居の高さのようなものに戸惑うかもしれませんが、元からそこにある空気感やマナーを大切するというローカルの方々への配慮や、謙虚な気持ちで通い続ければ、皆さんにとって気持ちの良いポイントになっていくのではないでしょうか」

橋本さんがそういう思いを伝えていきたい相手には、「THIRD PLACE」を訪れる方々だけではなく、自身の子どもたちも含まれている。現在、長男は小学6年生、次男は小学3年生。長男は太東ビーチで行われたサーフタウンフェスタで準優勝を果たすなど、メキメキと上達中だ。夢であった「親子で波待ち」も叶えることができるようになった。

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「一緒に波を共有したいとずっと思っていたので、本当に嬉しいですね。サーフィンはやればやるほど楽しさが湧いてくる、どんどん楽しくなってくるスポーツだと思っています。自分は何十年もやっていますが、今でも、それが更新され続けているんです。成長するにつれてどういう選択をするかは息子たち次第ですが、今は、自分からサーフィンをやりたいというマインドに変わっていっていると感じています」

自身もサーフィンを長く続けてきているからこそ、できるだけ長く続けてほしいと願っている。

「サーフィンから離れる時も来るかもしれませんが、もしやめたとしても、大人になった時に遊ぶツールとしてでもいいので、戻ってきてくれたらいいなと思っています。僕の周りには70歳くらいでもバリバリやっている大先輩もいるように、サーフィンはそれだけ長く続けられるスポーツですので」

また来たいと思える場所に

ペンションのオーナーとして多くの人を受け入れ、多くの人を送り出してきた橋本さん。たくさんのサーファーたちの助けになってきたのは間違いないが、これからもさまざまな貢献をしていきたいと考えている。

「お客様の中には、僕と同じように、一宮への移住を考えている方がけっこういらっしゃるんですよ。2~3泊、あるいは1週間と泊まられる方もいるので、一宮での暮らしを体験してもらえる場所でありたいなと思います。その中でこの町の良さを肌で感じてもらって、移り住むきっかけになったら嬉しいですね。僕のできる範囲で、良いところはもちろん、不便なところも正直に伝えて、それを踏まえて一宮に興味を持って住んでもらいたいなと思っています。ここに訪れる人が増えてくれるような取り組みを、これからもしていきたいです」

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また、「THIRD PLACE」はサーフィンアメリカ代表チームの合宿施設として認定されており、彼らの他にも、世界トップサーファーの一人であるジョーディ・スミスらが来日して宿泊したこともある。施設内のガレージにはアメリカ代表チームのサーフボードがこの夏まで保管されており、ジャグジーは彼らから寄贈されたものとのことだ。

「世界のトップサーファーたちのホストに選ばれるなんて、こんなご縁は普通に生きていてあるものじゃないですよね。本当にありがたいことですし、誇りに思います。息子たちには、『家にジャグジーがあるのを普通のことだと思うなよ、学校で言いふらしちゃダメだぞ!』とよく言ってあります(笑)」

海やサーファーたちのことを考え続け、人とのつながりを大切にしてきたことで生まれた誇り高き縁は、橋本さんにとっても、家族にとっても宝物になることは間違いないだろう。

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最後に、これまでに宿泊客からかけられた最も嬉しかった言葉は?と問うと、その時のことを思い出すように、じっくりと噛みしめながらこう言った。

「『また、来たい』...それに尽きますね。例えばですが、『誕生日に何が欲しい?』と聞かれたお子さんが、『THIRD PLACEに行きたい』なんて言ってくれたら最高に嬉しいですよね(笑)」

自身が感じてきた、サーフィンに触れることで得られる喜びを多くの人に共感してもらうべく、橋本さんは今日もこの場所で、あなたが訪れるのを笑顔で待っている。

↓インタビュームービーはこちら

施設情報
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pension THIRD PLACE

グループでも家族連れでも気兼ねなく泊まれるような、清潔でちょっとお洒落な宿泊施設。手ぶらで気軽に千葉の海に来てもらいたいという思いから、サーフボードロッカーサービスも提供中。

住所 :千葉県長生郡一宮町東浪見7198-2
電話番号 :0475-36-2454、090-2667-9190
受付時間 :8:00~21:00

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